再配達を頼むたびに「迷惑をかけているかも」と罪悪感を抱いてしまう人は少なくありません。
ネット通販が日常になった今、仕事や外出で日中に荷物を受け取れないことは誰にでもあります。再配達を一度依頼したからといって、あなたが悪いわけではありません。
ただし、再配達が増えるとドライバーの負担やCO2排出量、物流コストに影響するのも事実です。だからこそ大切なのは、罪悪感で落ち込むことではなく、次から受け取りやすい仕組みを作ることです。
この記事では、再配達が迷惑といわれる理由を3つに整理し、罪悪感を減らす考え方と、今日からできる5つの対策を紹介します。
この記事でわかること
- 再配達が迷惑といわれる3つの理由
- 再配達を頼んだときの罪悪感との向き合い方
- 今日からできる再配達削減の5つの対策
- 2026年時点で押さえておきたい制度やサービスの動き
再配達が迷惑といわれる理由3つ

再配達が「迷惑」といわれる背景には、単に配達員の気分の問題ではなく、物流全体の負担があります。
ここでは、特に押さえておきたい理由を3つに絞って解説します。
理由1. ドライバーの負担が増えるから
再配達が発生すると、ドライバーは一度訪問した場所へもう一度向かわなければなりません。
同じエリアを回っているように見えても、再配達の時間指定やルートの組み直しが必要になるため、現場の負担は想像以上に大きくなります。
国土交通省は、宅配便の再配達を労働力に換算すると年間約6万人のドライバーの労働力に相当すると説明しています。
また、トラックドライバーの時間外労働規制、いわゆる「物流の2024年問題」もあり、限られた人員と時間で荷物を届けることが以前より難しくなっています。
つまり再配達の削減は、単なるマナーではなく、配送を安定して続けるための重要な取り組みなのです。
理由2. CO2排出量が増えるから
再配達では、トラックや軽貨物車がもう一度同じ地域を走ることになります。
国土交通省は、再配達トラックから排出されるCO2の量を年間約25.4万トンと推計しています。1回ごとの再配達では小さな影響に見えても、全国で積み重なると無視できない環境負荷になります。
置き配、宅配ボックス、コンビニ受け取りなどを使って1回で受け取れる荷物が増えれば、走行距離やCO2排出量の削減にもつながります。
日常の受け取り方を少し変えるだけでも、環境負荷を下げる行動になるのです。
理由3. 物流コストが上がり、利用者にも影響するから
再配達には、人件費、燃料費、車両費、システム運用費などがかかります。
通販サイトで「送料無料」と表示されていても、実際に配送コストがゼロになるわけではありません。配送にかかる費用は、送料、商品価格、サービス利用料など、どこかの形で社会全体が負担しています。
再配達が増えれば、配送会社や通販事業者の負担が増え、将来的には送料や商品価格に反映される可能性もあります。
だからこそ、再配達を減らすことは、ドライバーだけでなく、私たち利用者にとっても意味があります。
再配達を頼むのは悪いこと?罪悪感との向き合い方

再配達が社会的な負担になると聞くと、「やっぱり自分が悪いのかな」と感じるかもしれません。
しかし、必要な再配達を依頼すること自体を責める必要はありません。
大切なのは、再配達を当たり前に繰り返さないことです。
罪悪感は「次の行動」に変えればいい
罪悪感を持つ人ほど、配達員への配慮がある人です。
ただ、申し訳なさを感じるだけでは再配達は減りません。気持ちを責め続けるより、次回から受け取りやすい方法を1つ選ぶ方が現実的です。
たとえば、次のような行動ならすぐにできます。
- 配送アプリの通知をオンにする
- 注文時に時間指定をする
- 不在がわかった時点で受取場所を変更する
- 置き配できる荷物は置き配にする
- 宅配ボックスやロッカー受取を使う
罪悪感は、うまく使えば「受け取り方を整えるきっかけ」になります。
どうしても再配達になるときは感謝を伝える
仕事、通院、急な予定、家族の事情などで、どうしても再配達が必要になることはあります。
その場合は、受け取るときに「ありがとうございます」「お手数をおかけしました」と一言伝えるだけでも印象は変わります。
もちろん、感謝の言葉だけで再配達の負担がなくなるわけではありません。それでも、配達員も人です。受け取る側の配慮が伝われば、不要な気まずさは少し軽くなります。
そのうえで、次回から再配達を減らす仕組みを作っていきましょう。
再配達を減らす5つの具体的な対策

ここからは、今日からできる再配達削減の対策を5つ紹介します。
すべてを一度にやる必要はありません。自分の住まい方や生活リズムに合うものから選んでください。
| 対策 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 配送通知・日時指定を使う | スマホで配送状況を確認できる人 | 指定した時間帯は在宅を意識する |
| 置き配を使う | 日用品や常温品の注文が多い人 | 盗難・雨濡れ・高額品には注意 |
| 宅配ボックスを使う | 戸建て、宅配ボックス付き集合住宅 | クール便などは対象外の場合あり |
| コンビニ・ロッカー・郵便局受取を使う | 帰宅途中に受け取りたい人 | サイズ、保管期限、営業時間を確認 |
| スマート置き配を検討する | オートロックマンションの住人 | 導入可否は管理会社や管理組合次第 |
対策1. 配送通知と日時指定を必ず使う
一番手軽なのは、配送会社や通販サイトの通知機能をオンにすることです。
配達予定が事前にわかれば、その日に在宅できるか、時間指定を変えるか、受取場所を変更するかを早めに判断できます。
国土交通省も、再配達削減のために時間帯指定、メール・アプリなどの通知、コンビニ受取や宅配ロッカーなどの活用を呼びかけています。
特に効果的なのは、注文時に「なんとなく最短配送」にしないことです。
自分が受け取れる曜日や時間帯がわかっているなら、最初からその時間に合わせて指定しましょう。指定した時間帯に外出する必要が出た場合は、早めに配送会社の画面から変更しておくと再配達を避けやすくなります。
対策2. 置き配を使う
置き配は、玄関前、宅配ボックス、車庫、物置など、指定した場所に荷物を置いてもらう受け取り方です。
在宅していなくても荷物を受け取れるため、再配達を減らす効果が大きい方法です。
最近は、多くの通販サイトや配送会社で置き配を選べるようになっています。日用品、飲料、消耗品など、盗難や破損のリスクが比較的小さい荷物から試すと始めやすいでしょう。
ただし、置き配は万能ではありません。
高額品、本人確認が必要な荷物、代引き、クール便、雨に弱い荷物などは、置き配に向かない場合があります。盗難や雨濡れが心配な場合は、宅配ボックス、置き配バッグ、防犯カメラ付きの環境なども組み合わせて考えると安心です。
対策3. 宅配ボックスを使う
戸建てに住んでいるなら、玄関先に宅配ボックスを置く方法もあります。集合住宅の場合は、共用部の宅配ボックスを活用します。
宅配ボックスがあれば、常温の荷物は不在時でも受け取りやすくなります。特に、仕事で日中不在になりがちな人や、毎回時間指定をするのが面倒な人には相性が良い方法です。
ただし、一般的な宅配ボックスは常温荷物向けです。
冷蔵・冷凍品、生鮮品、代引き、本人確認が必要な荷物、大型荷物などは受け取れない場合があります。導入する場合は、自分がよく注文する荷物のサイズや種類に合っているかを確認しましょう。
集合住宅で宅配ボックスが足りない場合は、管理会社や管理組合に増設の相談をするのも選択肢です。国や自治体、事業者向けの補助制度が活用されるケースもあるため、地域や建物の条件を確認してみてください。
対策4. コンビニ・PUDO・郵便局受取を使う
自宅で受け取るのが難しい人は、コンビニ、宅配ロッカー、郵便局などを受取場所にする方法があります。
帰宅途中や買い物のついでに受け取れるため、在宅時間を気にしなくてよいのが大きなメリットです。
たとえば、駅や商業施設に設置されているPUDOステーションのような宅配ロッカーは、通勤経路にある人には便利です。コンビニ受取も、24時間営業の店舗であれば夜間や早朝に受け取れる場合があります。
また、日本郵便と佐川急便は、佐川急便の対象荷物について、2026年3月30日発送分から初回配達前に郵便局・ロッカー・店頭などへ受取先を変更できるようサービスを拡大しています。
ただし、受取場所によって営業時間、荷物サイズ、保管期限、対象サービスが異なります。大型荷物や冷凍品などは対象外になる場合もあるため、注文時や配送通知の画面で確認しましょう。
対策5. オートロックマンションならスマート置き配を検討する
オートロックマンションでは、配達員が建物内に入れず、置き配や宅配ボックスの利用が難しい場合があります。
そこで広がっているのが、デジタルキーや一時解錠の仕組みを使った「スマート置き配」です。配送員が一時的に共用部へ入館できるため、在宅していなくても荷物を届けてもらいやすくなります。
株式会社ライナフは、同社の「スマート置き配」の導入棟数が関東エリアで10,000棟を突破したと発表しています。
ただし、すべてのマンションで利用できるわけではありません。導入には管理会社、大家、管理組合などの判断が必要です。
オートロックマンションで再配達が多い場合は、個人で悩むだけでなく、管理会社に宅配ボックスの増設やスマート置き配の導入状況を確認してみるとよいでしょう。
2026年時点で知っておきたい再配達削減の動き

再配達削減は、個人の努力だけでなく、国や企業の制度面でも動きが進んでいます。
ここでは、読者が知っておくとよいポイントを整理します。
多様な受取方法を増やす方向に進んでいる
国土交通省は、再配達削減に向けて、時間帯指定、通知サービス、コンビニ受取、駅の宅配ロッカー、置き配などの活用を呼びかけています。
また、総合物流施策大綱では、宅配便の会員サービスを通じて多様な受取方法を選択している消費者の割合などを、2030年度に50%程度へ引き上げる目標が示されています。
今後は、対面で受け取るだけでなく、生活スタイルに合わせて受取方法を選ぶ流れがさらに強まるでしょう。
置き配を標準ルールに位置付ける検討が進んでいる
国土交通省では、置き配や宅配ボックスなど、対面以外の受取方法を標準宅配便運送約款に位置付ける検討が進んでいます。
ただし、2026年5月時点で、対面受取や再配達の全国一律有料化が決まっているわけではありません。
「すぐに手渡しが有料になる」と断定する必要はありませんが、1回で受け取る工夫の重要性は今後さらに高まると考えられます。
改正物流効率化法で企業側の取り組みも重要になっている
改正物流効率化法では、一定規模以上の荷主や物流事業者に対して、中長期計画や定期報告、物流統括管理者(CLO)の選任などが求められる方向です。
これは、物流の負荷を個人や配送会社だけに押し付けるのではなく、荷物を出す企業側にも効率化への責任が求められているということです。
再配達削減も、消費者だけががんばる話ではありません。
通販サイト側が受取場所を選びやすくする、配送会社が通知を改善する、マンション側が宅配ボックスを整えるなど、社会全体で受け取りやすい仕組みを増やしていくことが大切です。
再配達に関するよくある質問

再配達を何度も依頼するのは迷惑ですか?
何度も続くと、ドライバーの負担や配送ルートの乱れにつながるのは事実です。
ただし、必要な再配達を依頼すること自体を過度に責める必要はありません。大切なのは、再配達を前提にせず、次回から減らす工夫をすることです。
置き配、宅配ボックス、コンビニ受取、配送通知など、自分に合う方法を1つ取り入れるだけでも変わります。
再配達の有料化はいつから始まりますか?
2026年5月時点で、主要配送会社の個人向け再配達が全国一律で有料化されるとは決まっていません。
一方で、国や業界では再配達削減、置き配、宅配ボックス、ロッカー受取などを広げる動きが進んでいます。
有料化を心配して待つより、今のうちに無料で使える受取方法を試しておく方が現実的です。
宅配ボックスがあれば何でも受け取れますか?
いいえ。一般的な宅配ボックスで受け取れるのは、常温の通常荷物が中心です。
冷蔵・冷凍品、生鮮品、代引き、本人確認が必要な荷物、大型荷物、高額品などは対象外になる場合があります。
宅配ボックスを選ぶときは、サイズ、防犯性、設置場所、雨対策、自分がよく注文する荷物の種類を確認しましょう。
今日から一番簡単にできる対策は何ですか?
一番簡単なのは、配送通知をオンにして、注文時に受け取れる日時を指定することです。
次に、日用品や常温品から置き配を試してみるとよいでしょう。
スマホで配達予定を把握し、不在がわかった時点で受取場所や日時を変えるだけでも、再配達の発生をかなり減らせます。
まとめ:再配達の罪悪感は、受け取り方の工夫に変えよう

再配達は、ドライバーの負担、CO2排出量、物流コストに影響します。
とはいえ、再配達を一度依頼しただけで、自分を責めすぎる必要はありません。仕事や生活の都合で受け取れない日は誰にでもあります。
大切なのは、罪悪感を抱え続けることではなく、次から受け取りやすい仕組みを作ることです。
この記事の要点をまとめます。
- 再配達はドライバーの労働負担を増やす
- 再配達はCO2排出量や物流コストにも影響する
- 必要な再配達を頼むこと自体を責めすぎなくてよい
- 配送通知、日時指定、置き配、宅配ボックス、ロッカー受取で再配達は減らせる
- 2026年時点では、多様な受取方法を広げる制度やサービスが進んでいる
まずは、次に通販で注文するときに、配送通知をオンにする、受け取れる時間を指定する、置き配を選ぶなど、ひとつだけ試してみてください。
小さな工夫を積み重ねれば、再配達への罪悪感は少しずつ減らせます。
